畑の管理は雑草から! 畑の管理は雑草から!

畑の管理は雑草から!

レモン畑以外にも、2反ほど借りている畑があります。

こちらでは野菜を作っているのですが、使い切れずにいて今はひたすら草刈りをしています。

今日は畑の雑草を少し紹介しようと思います。
我々は自然栽培をモットーに農業を行っていますが、実はどういう雑草が生えているかで畑の状態が分かるため、雑草にも目を向けるようにしています。

「カラスノエンドウ」
マメ科ソラマメ属の一年生雑草。マメ科植物の根には、「根粒菌」という特殊な微生物が共生しており、普通の植物は土の中にある窒素しか利用できませんが、マメ科植物の場合は根粒菌が空気中の窒素も取り込んで供給してくれるのです。代わりに根粒菌はマメ科植物から炭水化物をもらうことで、相利共生の関係ができているわけですが、これこそが自然栽培の舞台裏といいった感じですね。総合的に見て、これが生えているということは良い土壌であると言えると思います。

「シロツメクサ」
こちらもマメ科植物ですが、同様に根粒菌と呼ばれる微生物が根の中や周囲にいて、共生しています。見つけたら根を抜いてみてください。根の周りに小さな丸い粒が見られます。これが根粒菌のコロニーです。
土の状態としては、シロツメクサが生えているということは、少し痩せた土地と言われる指標になります。しかしながら窒素供給の役割や、背が低いことからグランドカバープランツとして使われたり、さらには害虫(アブラムシやハダニなど)の天敵(クモやてんとう虫など)を呼び寄せる効果があると言われています。

「キバナツメクサ」
こちらも同様にマメ科の為、根に根粒菌を持ち、瘦せた土地に窒素を供給してくれます。またアレロパシー効果(植物が発する、他植物に影響を及ぼす化学物質)により広葉雑草を抑制するという文献があります。

「メマツヨイグサ」
メマツヨイグサは根腐れに弱く、排水の良い土壌と十分な日光を必要とするため、これが生えているという事は、畑作物に一番必要な排水性は担保されている、という事になります。ただしこれ自体が品質の低い土壌や干ばつなどに耐えられるため、これがあればよい土と一概に言えるわけではありません。また、コガネムシやカメムシが好んで集まる傾向もあるため、全部刈り取らずに畑の隅に残しておくことも一理あるのかもしれません。

雑草にも種類があり、それぞれ生きられる環境が違い、土に及ぼす影響も違います。自分の作物だけを愛するのでなく、そこに生きている植物すべてに理由があることを頭にいれながら、自然と向き合っていきたいと思います。

それが“自然栽培”を口にする者の理念。

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